幼馴染はお医者さん
「おばさん、きりの病気俺が見てもいい?」
「え?」「え?」
びっくりした。
以前そういう提案は
愁くんからあったけど直接お母さんに
言うとは思わなかった。
お母さんも愁くんからの言葉にびっくりしている。
「きりみたいな患者、担当したら愁くんに迷惑かかっちゃうわよ。
よく知ってるとは思うけど病院嫌いだし言うこと聞かないし。」
「知ってるよ全部。
でも、きりも俺のことよくわかってるから。何したら俺に怒られるかもわかってるだろうしちゃんと病気と向き合ってくれると思うんだけど。おばさんはどう思う?まだ医者として未熟な俺じゃ不安?」
「そんなことはないよ。本当にいいの?
なんで?
「俺はきりの喘息をコントロールして少しは運動できるようにしてやりたい。
いまのきりは病気と向き合ってない
逃げてる。それをどうにかしたい」
2人の会話を聞いてると
モヤモヤしてきた。
そうだよ
だって大人になると治るって言われてたもん。
大人になったのに発作はでるし
よくなってる感じがしないのに。
どう向き合えばいいの
その場を離れたい
2階にあがろう
階段に向かった
「きり、待って。」
愁くんに呼び止められたけど
無視をして部屋にこもった
「きり、入るよ」
「入ってこないで、休ませて。」
「...きりは俺が担当医だと嫌?」
「こないだ嫌って言った」
「入ってきりの顔をみて話していい」
「嫌だ今日は話したくない」
「...わかった。また連絡する。」
愁くんは私の中ではずっと優しい優しいお兄ちゃんのままでいて欲しい。
お医者になって。
ましてや担当医になってしまったら...
あの優しくて大好きな愁くんじゃなくなりそうで怖いよ。
愁くんが帰ったらあとも
その日はご飯も食べずに
部屋にこもった。
大きい発作の後で疲れたのもあるし
私の知らないところで
色々と話が進んでいる気がして怖い
愁くんが帰ったらあとも
その日はご飯も食べずに
部屋にこもった。
大きい発作の後で疲れたのもあるし
私の知らないところで
色々と話が進んでいる気がして怖い