幼馴染はお医者さん




「きり〜
今日、病院の日でしょ。
早く起きて行きなさい!!!」

お母さんが寝ている私を起こしに来た。

毎週水曜日は病院の日。

仕事はシフト制のため水曜日はお休みをもらってる。

せっかくの休みなのに病院で1日消える。
ゆっくり寝かしてもくれない。

もう喘息さん、いつ治んのよ。


家を出なければお母さんがうるさい。
うんざりしながらとりあえず準備をして簡単にメイクをして家を出た。


せっかくの休みなのに毎週、毎週病院行かないといけないなんてもう無理すぎる。

治るって嘘じゃん!
治ってないじゃん!

頭の中で考えてるうちに怒りが湧き出ていて
そのままバスに乗っていた。

行き先は親友が働いているカフェ。

「いらっしゃいませ」

「ももか〜」

「きり〜、どうしたの?」

「ちょっと近くに用事あってさ」

ももかは私の小学校の時からの友達。
私のたちはお互いのこと何でも知り尽くしてる。

最近は私も、ももかも就職して
毎日会うことは無くなったけど
連絡は取り合っている

病院さぼった!
なんて本当のこと言っちゃうと
きっと私のお母さんに連絡されると思って
咄嗟に嘘をついちゃった。

案内してもらって席についた

「コーヒーちょうだい」

「え、いいの?」

喘息にコーヒーはあまり良くない。
それもももかは熟知している。

「うん、少しなら大丈夫」


ここのお店のコーヒーはピカイチで美味しい。
せっかく来たなら飲まないと勿体無い。

「...はい」

仕方ないなぁ
と言わんばかりの表情でコーヒーを出してくれた。

「ありがとう。」

やっぱりここのコーヒーは美味しい。

「最近どう?元気?」

ももかは仕事中のはずなのに
私の向かいの席に座って話し始めた。


< 2 / 14 >

この作品をシェア

pagetop