幼馴染はお医者さん


アジサイかぁ
そろそろ綺麗に咲く頃だな
とか色々考えてるうちに

愁くんのバイクの音が聞こえた

あ、きた
5分ってほんと短い


ヘルメットとって愁くんは
まっすぐ私の前にきた。

「薬忘れるな、危ないから」

そういって私が持ってるポーチの
色違いを持ってきた
常に愁くんが持ち歩いてる私の発作用ポーチ。

声も顔も怒ってはない
少し安心した


「ここで何してんの。」

「なんか寝れなくて」

「寒いだろ」

愁くんがきていたパーカーを
私の肩にかぶせてくれた。

「...」

「明日さ12時前にきて欲しい。
午前の外来の最後だと時間がとれる」

「...」

「これる?」

「...」

「きり」

「わかってるから何も言わないで」

せっかくのドキドキ解消のための散歩が
具体的な時間まで言われると
もっとドキドキ止まらない。 


「もう帰る」


とりあえず早く愁くんと離れたかった。
なるべく明日になるまで明日のこと
忘れたいのに。


「のれよ、バイク」

「いい。」

「きり、のれ」

「だからいいってば」

愁くんを無視して
そそくさと歩いた。


バイクだと5分で家着いちゃう。

歩いてゆっくり帰りたかった

無視して歩く私の横を
バイクのエンジンをかけずに押して歩く愁くん。

「ついてこないでよ」

「いいだろ、好きにさせろ」

「1人になりたい」

「俺はきりと一緒に帰りたい」

なにそれ。
バイク押して重そう
早くなって帰ればいいのに

「愁くん、今日は実家に泊まるの?」

「まぁこの時間だから母さんたち寝てるだろうし自分の家に帰ろうかな。きりの顔見にきただけだし。連絡無視されてたし。」

「...」

「明日やっぱり迎えに来るよ」

「え?」

「午前の外来が終わったらバイクか車で迎えにくるから家で待ってて」

「...」

「病院出る前連絡する」

「...わかった」


それから家までは普通にいつも通りの愁くんだった。
ゲームの話したり最近の面白かった話したり
楽しかった。
歩いて帰ってきたけどあっという間に家に着いた。


「じゃあな、また明日」

「...うん。おやすみ愁くん」

「おやすみ」


私はお母さんたちを起こさないようにそっとお家に入った。


最後はいい感じにリフレッシュになって
すぐに眠気がきた。

ベッドにはいったら一瞬だった


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