幼馴染はお医者さん

「きり!起きなさい!
今日、病院でしょ〜」

朝9時にお母さんがおこしにきた。

あっそうだ
病院だったんだ。
昨日遅くまで起きてたから寝過ごした...

...って昼に迎えに来るって言ってた

「愁くんが迎えに来るらしい。
それまで起こさないでよ」

「そうなの?お母さんそんなの聞いてない。
ほんとう?」

「うん」

「...わかった。信じるわ。ちゃんと行きなさいよ」


うるさい。
行くってば。

行かないと愁くんになにされるかわからない。


もうみんなして敵にしかみえない。

自分のこと心配してくれるのは
わかってる

わかってるけど私の気持ちなんか
どうでもいいかのように勝手に話を進める。


ってあれ...

なんだか寒気がする。
今日、そんなに寒くないはず。


嫌な予感がして体温計をとった

...ピピピピ

39.2℃


なんでこんな日に限って熱でんの。
最悪だ。
昔からそう。
大事な時に熱を出す。


幸い、寒気以外に体調悪いところはない

熱だけ下げればバレない気がする。
解熱剤を飲んでベッドで休んだ。

...ピンポーン

家のインターフォンで起きた。
携帯を見ると12:00

きっと愁くん。
やばい何の準備もできていない
お母さんはパートに出てて家にいないみたい。

「きり」

愁くんだ。
急いでベッドから出て
1階に降りて家の扉を開けた

「愁くん...
ごめん。今まで寝てて
今から着替えるからちょっと下で待ってて。」

「おう、バイクできたから長袖長ズボンでよろしく」

寒気がすごいから長袖長ズボンで助かる。


部屋に戻って
もう一度熱を測った。

...ピピピピ

38.5℃

解熱剤で少し下がった...

といっても熱は熱。
バレたくない


急いで準備をして
下に降りた。

「じゃ行こう」

「...うん」

家を出てバイクに跨って前の愁くんにしがみついた途端
愁くんが振り返って私の顔を見た。

「熱ある?」

「えっ?」

「えっじゃねーよ、熱あるだろ」

「ないよ」

「体熱い。
まぁいいや行き先、病院だし
しっかりみてやる。」

出発した。

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