幼馴染はお医者さん



...ピンポーン

「きりです」

...ガチャ

「あら、きりちゃん。
体調は?大丈夫?」

「大丈夫。愁くんいてる?」

「いるよ、入って〜、どうぞ」

おばさんがお家に入れてくれた。

久しぶりにきた愁くんのおうち
おじさんもリビングでゆっくりしていた。

「おじさん、こんばんは。」

「おう、きりちゃん。ゆっくりしてってな」

「愁きっと部屋にいるよ、呼んでこようか?
あ、降りてきたんじゃない?」

階段を降りる音がする。

「おう、きり。連絡くれれば俺が行ったのに。」

愁くんだった。
部屋着の愁くん。

やっぱこの感じが懐かしくて好き
白衣きてる愁くんとは全く別人にみえた。

「部屋にあがろう」

見惚れてる私の手を引いて
愁くんの部屋に連れてこられた。


医学部の参考書やお医者さんの本
私の部屋と違って漫画なんて一つもない。


ゲームはあるけど使ってる形跡もない。

あっそっか。
今はここに住んでないんだ。

「俺の部屋に入るの久しぶりか?」

「うん。愁くんが医学部に入ってからはないかもしれない。」

「ははっ、それはないだろ。
それだと9年前とかだぞ?」

「うん。それくらい来てない気がする」

「その袋、何買ってきたの?」

「あっ、アイス。忘れてた。
溶けちゃってるかな。はい。」

私たちの大好きなバニラアイスを1つ渡した

「俺のもあんの?ありがとう」


2人で仲良く食べながら
部屋のテレビで
ドラマや映画をみて幼馴染に戻った感じがして懐かしかった


愁くんからはなにも聞いてこない。
熱とか発作とか気になることいっぱいあるはずなのに。


「ねぇ、私に気を遣ってる?」

「え?」

「聞きたいことあるんじゃないの?」

「まぁあるけどきりが話したくないなら無理には聞かない」

「...」

「この映画もさぁ続編するらしいし
観に行かないとなぁ」

「愁くん...3つなら何でも答えるから聞いていいよ。昨日、迷惑かけちゃったし」

「ははっ迷惑なんかかかってねーよ」

「でも...部屋まで片付けてくれたし」

「まぁそれはそうだな。
じゃあ部屋の掃除代として質問3つさせてもらおうかな。何でもいい?」

「...うん」

「ちょっと医者的な質問でも?」

「...うん」

< 30 / 34 >

この作品をシェア

pagetop