幼馴染はお医者さん

私はソファに移動してももかに連絡をした。

《ももか、今日は会えて楽しかった。ありがとう。またゆっくり遊ぼ。》


携帯を触っていたら隣に愁くんが座ってきた。

「食後の薬は?」

やっばい。愁くんきてたんだ。
最近、発作が出そうな時しか飲まない。

「忘れてた...」

「おい。」

「今から飲むの。」

薬を飲もうとしている今も視線を感じて
ちゃんと飲んでソファに戻った


「なんで病院行かなかったの?」

愁くんは優しく私に聞いてきた
さっきの尋問のような聞き方ではなく
今回は私の大好きな愁くんの声

「...別に」

「行きたくなくなった?」

「元から行きたくない」

「でもちゃんといけてたでしょ
行かなかったのには理由あるでしょ」

「...」

「きり、自分の喘息を軽くみないで。」

急に医者モード...

「...」

愁くんが私の様子を見て予想外の提案をしてきた。

「俺がみてあげようか?」


「えっ?」


「俺はきりのことをよく知ってる。
きりも俺のことよく知っている。
俺だと安心して治療うけれるならみてやる」

そっか愁くんもお医者さんになったもんね。

でもなんだか少し恥ずかしいし気まずい

「そのかわり病院来ないとか薬飲まないとかないように管理する。」

「嫌だ。いい。ちゃんと今の病院通う」

愁くんは不満そう
だけど断った

「わかった。
ただ次、すっぽかしたら強制で俺が担当する。いいな。嫌ならちゃんと治療しろよ」

「...うん」


話は終わりしばらくしてから愁くんたちは隣の家に帰って行った。

今まで甘々だった愁くんが
医者になって厳しくなって

寂しかった。

前みたいにいっぱい褒めていっぱい励ましてくれる愁くんはもういなかった。


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