DOLL 人形達の物語
いつかは言おうと思っていた事。
所詮私は、この街の人じゃない、、、
ただ気がついたらこの街にいただけの
旅人でしかない。
でも、この子達を傷つけたくない。
言葉選びは慎重にしよう。
「―――そうねぇ、もうここに居るのも半年だから、
そろそろ旅の準備も始めないとね?」
その言葉は、子供たちに大丈夫だという事が
届いたのだろうか?
「やだぁー!」
「お姉ちゃん…」
…残念だが届かなかったみたいだ。
あまりに子供達が捨てられた子犬のような顔を
していて、いつもの元気はどこなの?
と思うとくすっと笑みが漏れる
そして、わたしは
まだ不安気な子供たちに
安心のできる約束をする。
「約束するわ。貴方達に連絡も何もなしで
急に行ったりしない。
まだここにいると思うし…ほらだから、
またいつでもおいで?」
するとさっきまで、捨てられた子犬のような顔を
してた子供達が満面の笑みで頷いてくれる。
「「…うん!!!!」」
やはり、可愛らしく素直な子達だ。