冷徹無慈悲なCEOは新妻にご執心~この度、夫婦になりました。ただし、お仕事として!~
「たった今、絵コンテの修正案が届いたところです」
「了解。見てもいい?」
悠哉の打ち合わせをしながら、タブレットを使って上司の理沙子や関係先にも共有して、どんどん話を詰めていく。
夜九時半。ようやく全員が「完璧」と太鼓判を押すプランができあがった。
「よ、よかった~。うちの上層部の判断は明日になってしまいますが、コンセプトは変わっていないし、これならOKをもらえると思います」
「ほかのお偉い方のセンスは僕にはわからないけど、櫂はきっと気に入ると思うな。これは間違いなくあいつの好みだ」
親友の悠哉が言うなら、安心だ。
「ありがとうございます。すべて、七森さんのおかげです! このご恩はいつか必ず」
咲穂がややおおげさに感謝を伝えると彼はクスリとして言う。
「いつかと言わず、今、缶コーヒーでもごちそうしてくれない? 喉渇いちゃって」
「買ってきます!」
本社ビルの向かいにコーヒーのおいしいカフェがある。咲穂は閉店ギリギリに駆け込んで、ブレンドコーヒーをふたつテイクアウトした。
会議室に戻ると、ひとつを彼に渡す。
「じゃ、とりあえず今日のところはおつかれさま~」
カップに入ったホットコーヒーで乾杯して、ひと息つく。
「ていうかさ、櫂なら明日と言わず今から呼び出して、新プラン確認してもらったら? 夫婦なんだから遠慮することないじゃない」
悠哉のそれは正論だが……咲穂はためらってしまった。
(櫂さん、滝川翠さんの個展に行ってたんだよね? もしまだ彼女と一緒にいたりしたら……)
着物姿の大和撫子と櫂が並んでいるところを想像しただけで、胸がギュッとなる。
「了解。見てもいい?」
悠哉の打ち合わせをしながら、タブレットを使って上司の理沙子や関係先にも共有して、どんどん話を詰めていく。
夜九時半。ようやく全員が「完璧」と太鼓判を押すプランができあがった。
「よ、よかった~。うちの上層部の判断は明日になってしまいますが、コンセプトは変わっていないし、これならOKをもらえると思います」
「ほかのお偉い方のセンスは僕にはわからないけど、櫂はきっと気に入ると思うな。これは間違いなくあいつの好みだ」
親友の悠哉が言うなら、安心だ。
「ありがとうございます。すべて、七森さんのおかげです! このご恩はいつか必ず」
咲穂がややおおげさに感謝を伝えると彼はクスリとして言う。
「いつかと言わず、今、缶コーヒーでもごちそうしてくれない? 喉渇いちゃって」
「買ってきます!」
本社ビルの向かいにコーヒーのおいしいカフェがある。咲穂は閉店ギリギリに駆け込んで、ブレンドコーヒーをふたつテイクアウトした。
会議室に戻ると、ひとつを彼に渡す。
「じゃ、とりあえず今日のところはおつかれさま~」
カップに入ったホットコーヒーで乾杯して、ひと息つく。
「ていうかさ、櫂なら明日と言わず今から呼び出して、新プラン確認してもらったら? 夫婦なんだから遠慮することないじゃない」
悠哉のそれは正論だが……咲穂はためらってしまった。
(櫂さん、滝川翠さんの個展に行ってたんだよね? もしまだ彼女と一緒にいたりしたら……)
着物姿の大和撫子と櫂が並んでいるところを想像しただけで、胸がギュッとなる。