冷徹無慈悲なCEOは新妻にご執心~この度、夫婦になりました。ただし、お仕事として!~
「蓮見リョウは憑依型の俳優で、どんなキャラクターも自分のものにできる人だから……このふたりなら先に冬那のイメージを固めたいな。リベタスチームとしては、今回どんなテイストでいきたいの?」
「まずは櫂さんのCMとはガラリと雰囲気を一新したいです。なので今回は躍動的で、カラフルな絵を撮りたいと思っていて……」
櫂のCMは白一色の静かなものだったから、差別化したいのだ。
「あぁ、櫂のCMは想像以上に出来がよかったもんね。蓮見リョウも比較されたくはないだろうな」
悠哉は苦笑して、咲穂の顔をのぞく。
「僕は正直、ふたりが続投するのがベストだと今でも思ってるんだけど……」
「櫂さんはともかく、私はもう無理ですよ~」
咲穂は笑って流そうとしたが、悠哉の真剣な瞳に射貫かれる。
「そんなことないよ。冬那は素晴らしい素材だけど、リベタスにぴったりという意味では僕は咲穂ちゃんを推したいもの」
(リップサービス……よね? うん、そうに決まってる)
「ありがとうございます。七森さんにそんなふうに言ってもらえるなんて、光栄です」
一時間ほど話をして、大体の方向性は固めることができた。
「やっぱり七森さんはすごいですね。勉強になりました」
咲穂の頭のなかのイメージを彼は的確に言語化し、具体的なメイクに落とし込んでくれるのだ。どんな絵にしたいのか、この短い時間でよりクリアになった気がする。
「いや、僕も楽しかった。正直……櫂から君を紹介されたときはずいぶんと若い子を抜擢したなぁと意外に思ってたんだけど、先日の撮影と今日の打ち合わせで納得できたよ」
「まずは櫂さんのCMとはガラリと雰囲気を一新したいです。なので今回は躍動的で、カラフルな絵を撮りたいと思っていて……」
櫂のCMは白一色の静かなものだったから、差別化したいのだ。
「あぁ、櫂のCMは想像以上に出来がよかったもんね。蓮見リョウも比較されたくはないだろうな」
悠哉は苦笑して、咲穂の顔をのぞく。
「僕は正直、ふたりが続投するのがベストだと今でも思ってるんだけど……」
「櫂さんはともかく、私はもう無理ですよ~」
咲穂は笑って流そうとしたが、悠哉の真剣な瞳に射貫かれる。
「そんなことないよ。冬那は素晴らしい素材だけど、リベタスにぴったりという意味では僕は咲穂ちゃんを推したいもの」
(リップサービス……よね? うん、そうに決まってる)
「ありがとうございます。七森さんにそんなふうに言ってもらえるなんて、光栄です」
一時間ほど話をして、大体の方向性は固めることができた。
「やっぱり七森さんはすごいですね。勉強になりました」
咲穂の頭のなかのイメージを彼は的確に言語化し、具体的なメイクに落とし込んでくれるのだ。どんな絵にしたいのか、この短い時間でよりクリアになった気がする。
「いや、僕も楽しかった。正直……櫂から君を紹介されたときはずいぶんと若い子を抜擢したなぁと意外に思ってたんだけど、先日の撮影と今日の打ち合わせで納得できたよ」