第一幕、御三家の桜姫
二、御三家と下僕の契約事項、注意書き
朝、起きてくると、キッチンにはお父さんが新聞を広げて座ってた。その向かい側に座ると、新聞から顔を上げたお父さんが微笑む。
「おはよう、亜季」
「おはよう。今日はゆっくりなんだね」
「あぁ、今日は朝礼がないから。亜季、高校は楽しいか?」
「うん」
「そっか。良かったよ、たまたま──」
「ねぇ、早く食べてくれない? 片付かないから」
「……はい」
お皿の上のトーストに手を付ける。黙りこくったお父さんに視線を向けず、とりあえず口のなかにトーストを詰め込んだ。
「……あの、もうすぐ第一考査の結果が出るんで、」
「それがどうかした?」
「学年で十位以内に入ったら、少し授業料が免除されるみたいです。また成績と減免措置については書類を持ってきます」
「学費の話なら拓実さんにすればいいでしょう」
「そうでした。すみません。お父さん、また減免措置書類貰ったら出します」
「あ、あぁ……」
そのまま半分以上残ってるトーストを数十秒で口の中に入れて、飲み込む。
「じゃあいってきます」
| (.)
「おはよう、亜季」
「おはよう。今日はゆっくりなんだね」
「あぁ、今日は朝礼がないから。亜季、高校は楽しいか?」
「うん」
「そっか。良かったよ、たまたま──」
「ねぇ、早く食べてくれない? 片付かないから」
「……はい」
お皿の上のトーストに手を付ける。黙りこくったお父さんに視線を向けず、とりあえず口のなかにトーストを詰め込んだ。
「……あの、もうすぐ第一考査の結果が出るんで、」
「それがどうかした?」
「学年で十位以内に入ったら、少し授業料が免除されるみたいです。また成績と減免措置については書類を持ってきます」
「学費の話なら拓実さんにすればいいでしょう」
「そうでした。すみません。お父さん、また減免措置書類貰ったら出します」
「あ、あぁ……」
そのまま半分以上残ってるトーストを数十秒で口の中に入れて、飲み込む。
「じゃあいってきます」
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