ゆれて、ふれて、甘言を弄して
もうぼやけた視界には、不死原君の表情すら移らない。
でもいつもの優しい声は耳に入ってくる。
「…え?…梨添さん…俺のこと、好きなんですか。」
「すき、すきだよ…。すきじゃなきゃ、ぴあのれっすんなんて行かないじゃん。」
「……え??俺、振られるつもりで今日来たのに。何か、思ってたのと違う。」
ほんとに?ほんとにそれ、そう思ってる?
とても驚いているようにも、動揺しているようにも感じない不死原君の安定した声。
私の大好きな不死原君だ。