ゆれて、ふれて、甘言を弄して
私の親は、私が一人っ子ということもあってか、私を手塩にかけて育ててきた。
"りいほ"という名前がひらがななのだって、散々字画占い師やら姓名判断師に見てもらって、結局結果が出せなかった証拠だ。
女の嗜みだからと、小さい頃からピアノと習字とお花を、中学に入るまで習わされてきた。
学生時代に必ず運転免許以外3つ以上の資格は取得しておきなさいと、うるさく言われてきた。
うるさい親に、少しでも読心術で対抗しようと思い取得したのが、キャリアカウンセラーだった。
付き合う相手に関してもひどく干渉されてきて、結婚するなら、なんちゃら企業以上の年収いくら以上の相手、が常に口癖。小学生の頃から呪いのように言われてきた。
元旦那との出会いは、社会人になってから行われた中学の同窓会。
大人しくとも品行方正で真面目だった彼は、名門校、名門大学を卒業し、一流証券会社の営業マンになっていた。
私も大人しい部類に属していたから、同窓会ではなんとなく2人で話していたのがきっかけ。