ゆれて、ふれて、甘言を弄して
今になって反省点がたくさん浮かんできた。
あとからその反省点を箇条書きにして並べてみようと思う。
それでその箇条書きにした文章を起承転結の文章にまとめて、不死原君に添削してもらうというのはどうだろう?
余計に余計なことか。私って空気読めないやつ。
「…風見さんて空気読めないですよね。」
「へ、」
「梨添さん、風見さんにハラスメントされてるって、舘松さんに報告した方がいいかもしれませんよ?」
企業説明会が終わって、金本さんと2人で就職センターまで帰ろうとしている時だった。
唐突に金本さんが風見さんのことを貶した。
「……というか金本さんて、風見さん狙い、じゃないの?」
「じゃないですよ!何言ってるんですか!」
「え、そうなの?!」
狙ってないの?狙ってないのに男であればとりあえず能力発動できるの?
「え、なんです?狙ってるようにみえました?」
「····はい。」
それはもう。狙っているようにしかみえませんでした。
金本さんて無意識にフェロモン垂れ流してるレベルだよね。
お金とって講演会するか、本出すべきだよ。年収のいい男を厳選するよりも、自分で稼いだ方が早いと思う。
「あの、ここだけの話にしてくださいね…。」
「…は?」
「私、本当は榎戸さん狙いなんですっ。」
「……え、ええー…」
「榎戸さん、良くないですか?!口数少ないのに面白いし。」
「うん。良いと思う。」
「あ、もしかして梨添さんも狙ってます?やり合います?」
「狙ってません。」
なんで私も狙ってる風にしたいの?
金本さんて実はバトル大好きか。