リライト・ザ・ブルー
――ああ、そうだ。そこで全てが繋がった。
だって昴夜は、変だった。
昴夜は、ハーフだったけれど、英語が特別できた覚えはない。それなのに修学旅行では流暢に喋っていた――事件後の昴夜は、担当弁護士によれば、母方の親戚を頼ってイギリスに旅立っていた。
いまの昴夜は、いつだって侑生への嫉妬と私への好意を素直に口にして、でも「好き」は絶対に言わなかった。
あれは、言わなかったんじゃない。言えなかったんだ。
「……嘘でしょ」
そう口にした私の声は、掠れていた。
手を伸ばした先で、扉が閉まった。ドン、と拳に変えた手で叩いても、もう一度扉が開くことはない。
「昴夜も、私と同じ……!」