この初恋はもう不可抗力
元は私が悪いわけだし、仕方ない⋯か。



でも俯きながら、謝ると神楽会長は思ってもないことを言った。



「ま。俺もやばい状況だから」



私と神楽会長が話す様子を見て、九条先輩が寄ってくる。



(いと)、この人は誰だ?」



「別に」



「なら早く行くぞ。時間があまりない」



「うーん、ちょっと待って」



神楽会長が九条先輩に、指示を出す。



九条先輩は私が花城の生徒ってことには気がついていないみたいだ。



不幸中の幸いだ。
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