この初恋はもう不可抗力
私がバイトしてることや、自分が暴走族だとバレてることには一切見向きもしない。
なんて能天気!
「やめろ朔、北斗のとこ戻っとけ」
北斗とは、九条先輩のこと。
「えー」
立花先輩は文句をブツブツ言いながら、九条先輩の所へ戻って行った。
暗い空の下、残された私と神楽会長。
何を言われるんだろうっ。
心配でたまらないけどある程度の覚悟はあるから、どんな罰でも受ける。
そして神楽会長はゆっくりと唇を開いた。
「あんた、俺の彼女になんない?」
「⋯ええ?」
会長今、なんて?
聞き間違いと信じたいけどこの距離で聞き間違えるほど私の耳は老いてないと思う。