拝啓、前世の恋人へ。恋知らずな君を千年分の愛で離さない
「自分が今どんな顔をしているのか、わかっている?」
「どんな顔って……」
よほど変な顔をしていたのだろうか。
「とても愛おしそうな顔で微笑んで……まるで恋をしているような目だ」
「そんな目なんて――」
していませんと言い終わる前に、片手で頬を包まれた。
「頬を桃色に染めて瞳を潤ませて……いつもの何倍も色っぽい仕草で、僕の心をかき乱す。僕以外にそんな笑みを向けるのなら、その手からそれを取り上げてしまいたくなるな」
彼が言っていることの半分も理解できない。ただわかることは、彼はいつもの柔和な笑みではなく、怖いくらいに真剣な瞳を私に向けているということだけ。
「その百分の一でもいい、その目をこちらに向けてほしいと思うのは、僕の我がままだろうか」
苦しげに眉根を寄せた彼は、懇願するように私を見つめる。その目には今まで見たことのない熱が宿っていた。
「美緒――君が欲しい」
ストレートな言葉に、両目を見開いた。微動だにできずにいると、彼の顔がゆっくりと近づいてきた。視界に広がっていく整った顔に、心臓が飛び出そうなくらいに早鐘を打っている。
このまままぶたを下ろせば、私は恋に落ちることができるのだろうか。もしそうだとしたら、私は自分を欠陥人間だと卑下しなくてもいい。
でも――。
「どんな顔って……」
よほど変な顔をしていたのだろうか。
「とても愛おしそうな顔で微笑んで……まるで恋をしているような目だ」
「そんな目なんて――」
していませんと言い終わる前に、片手で頬を包まれた。
「頬を桃色に染めて瞳を潤ませて……いつもの何倍も色っぽい仕草で、僕の心をかき乱す。僕以外にそんな笑みを向けるのなら、その手からそれを取り上げてしまいたくなるな」
彼が言っていることの半分も理解できない。ただわかることは、彼はいつもの柔和な笑みではなく、怖いくらいに真剣な瞳を私に向けているということだけ。
「その百分の一でもいい、その目をこちらに向けてほしいと思うのは、僕の我がままだろうか」
苦しげに眉根を寄せた彼は、懇願するように私を見つめる。その目には今まで見たことのない熱が宿っていた。
「美緒――君が欲しい」
ストレートな言葉に、両目を見開いた。微動だにできずにいると、彼の顔がゆっくりと近づいてきた。視界に広がっていく整った顔に、心臓が飛び出そうなくらいに早鐘を打っている。
このまままぶたを下ろせば、私は恋に落ちることができるのだろうか。もしそうだとしたら、私は自分を欠陥人間だと卑下しなくてもいい。
でも――。