千年前の恋を忘れずにいたら、高貴な御曹司の最愛になりました。
胸の下で暴れる心臓をねじ伏せるように大きく息を吸い込み、意を決して口を開く。
「あのっ……智景さん、私」
勢いよく顔を上げると目が合った。目尻が優しく下がる甘やかな瞳に見つめられ、顔が一気に熱くなる。鼓動が聞こえてしまいそうなくらい大きく鳴っていて、まぶたが熱く潤んだ。
「どうした? 美緒」
「私……私は……あなたが……」
最後の言葉がのどの奥にひっかかったように出てこない。代わりに心臓が口から飛び出そうで、つい口を閉じそうになる。それから二三度開いたり閉じたりをくり返しても言えず、自分の意気地なさに下唇を噛みしめてうつむいた。
「美緒」
呼ばれたが顔を上げる勇気が出ない。
「あのときの借りを返してもらおうか」
「え?」
「清水寺で言っただろう?」
「あ!」
うっかり『東雲さん』と呼んでしまったときのことを思い出した。いつものペナルティだとわかるが、ここにはなにも食べさせるものない。それなのにどうして……。
「あのっ……智景さん、私」
勢いよく顔を上げると目が合った。目尻が優しく下がる甘やかな瞳に見つめられ、顔が一気に熱くなる。鼓動が聞こえてしまいそうなくらい大きく鳴っていて、まぶたが熱く潤んだ。
「どうした? 美緒」
「私……私は……あなたが……」
最後の言葉がのどの奥にひっかかったように出てこない。代わりに心臓が口から飛び出そうで、つい口を閉じそうになる。それから二三度開いたり閉じたりをくり返しても言えず、自分の意気地なさに下唇を噛みしめてうつむいた。
「美緒」
呼ばれたが顔を上げる勇気が出ない。
「あのときの借りを返してもらおうか」
「え?」
「清水寺で言っただろう?」
「あ!」
うっかり『東雲さん』と呼んでしまったときのことを思い出した。いつものペナルティだとわかるが、ここにはなにも食べさせるものない。それなのにどうして……。