千年前の恋を忘れずにいたら、高貴な御曹司の最愛になりました。
「東雲さん……」
「よかった。ちょうど美緒のところに行こうとしていたところだったんだ」
私のところに? いったいなんの用だろう。彼の誘いは昨日きっぱりと断ったはずなのに……。
「そんな嫌そうにされると傷つくな」
言われて初めて、眉間にほんの少し力が入っていたことに気づいた。なんとなく気まずくて視線をさまよわせていると、「乗って」と言われる。
「いえ、もうそこですから」
あと十分もすればアパートまでたどり着く。ここで要件を聞こうと口を開きかけたが、彼の方が早い。なにかを持ち上げてこちらに見せた。
「これ、きみのだよね」
「あ!」
思わず首もとに手をやるが、そこにいつもあるものがない。彼が持っているのは、私がいつも身につけているひと粒ダイヤのネックレスだ。就職して最初のボーナスで、思い切って自分へのご褒美に買ったものだった。
「いつの間に……」
「寝ているきみを抱え上げたときに外れたのかもしれないな。今朝車内の清掃をしているときに見つけたと、運転手から連絡があったんだ」
「それはお手数をお掛けいたしました……わざわざ届けてくださりありがとうございます」
「よかった。ちょうど美緒のところに行こうとしていたところだったんだ」
私のところに? いったいなんの用だろう。彼の誘いは昨日きっぱりと断ったはずなのに……。
「そんな嫌そうにされると傷つくな」
言われて初めて、眉間にほんの少し力が入っていたことに気づいた。なんとなく気まずくて視線をさまよわせていると、「乗って」と言われる。
「いえ、もうそこですから」
あと十分もすればアパートまでたどり着く。ここで要件を聞こうと口を開きかけたが、彼の方が早い。なにかを持ち上げてこちらに見せた。
「これ、きみのだよね」
「あ!」
思わず首もとに手をやるが、そこにいつもあるものがない。彼が持っているのは、私がいつも身につけているひと粒ダイヤのネックレスだ。就職して最初のボーナスで、思い切って自分へのご褒美に買ったものだった。
「いつの間に……」
「寝ているきみを抱え上げたときに外れたのかもしれないな。今朝車内の清掃をしているときに見つけたと、運転手から連絡があったんだ」
「それはお手数をお掛けいたしました……わざわざ届けてくださりありがとうございます」