千年前の恋を忘れずにいたら、高貴な御曹司の最愛になりました。
居候生活
話が決まってからの彼の動きは早く、あっという間に私をアパートから連れ出した。
車を走らせること数十分。到着したのは真新しい低層レジデンスの最上階――いわゆるペントハウス。そこが彼の自宅だった。
都心とは思えないほど閑静な住宅街の中にありながら、ショッピングモールやシネマ、ホテルなど様々な施設が集まる人気のエリアもほど近い。それで最寄り駅まで徒歩十分だというのだから、いったいどれほどの価格かなんて、私には想像もつかない。
室内は落ち着いた色調のナチュラルモダンで統一されており、一階はエントランスとLDK、二階は寝室とバストイレ、という配置のメゾネット式となっている。
リビングは広々としていて吹き抜けもあり、とても開放的だ。天井まで届く大型窓からは真冬の柔らかな日差しがたっぷりと降り注ぎ、大きなソファーセットではゆったりとくつろげそうである。
そして二階の五部屋ある寝室のうち、私は主寝室から一番遠いゲストルームを貸してもらうこととなった。