千年前の恋を忘れずにいたら、高貴な御曹司の最愛になりました。
東雲さんのマンションに帰ってからも、ずっと会議室での一件が頭から離れない。
長澤さんの、以前の親切な姿からは想像もできないほどの変わりようが、自分でも思った以上にショックだった。心底私のことが嫌いだと伝わってきた。
私の態度が彼を変えてしまったの?
ずっと友人として接してきたつもりだったけれど、気がつかないうちに彼に誤解を与えるような態度を取っていたのかもしれない。
長澤さんだけじゃない。久保田さんにも言いたいことの十分の一も伝えらなかった。
感情を表に出すことが苦手なせいで、知らないうちに誰かを不快にさせたり、誤解を与えたりしているのかもしれない。
最初は『大丈夫』と言っていても、徐々に私とかかわることが嫌になってくるのかも……。
「きっと東雲さんだって……」
「僕がどうかした?」
「きゃあ!」
急にそばから聞こえてきた声に、飛びあがりそうなほど驚いた。
「東雲さん! どうしてここに」
反射的に尋ねると、スーツ姿の彼が目を丸くする。
「どうしてって……ここは一応僕の自宅だからね。帰ってきたらまずかったかな?」
「え!」