スキル【溺愛】を獲得した冷酷無慈悲な侯爵は契約結婚の贄嫁を愛でたい
「では、おやすみ」
「はい、おやすみなさいませ」
ぱたんと扉が閉まり、ライザスが退室すると、しんと静寂が訪れた。
リリアはキスをされた額に手を当ててじっくり余韻を味わう。
以前より控えめだが、それでも夫に触れてもらえることが嬉しかった。
付与されたスキルは本人の素質と本能的なものによる。
つまり【慈愛】スキルを得たライザスは普段人々に冷たくしているが、本来は心優しい人物であるということ。
そして一度目の【溺愛】スキルを得たということは、女に興味がないと周囲に豪語しておきながら本当はそういった欲求を胸の内に秘めていたということだ。
ほとんどの男はスキルなどなくとも女に興味を持っている。
しかしライザスの場合は本人も気づかないほど心の奥深くに眠っていたと考えられる。
それこそ、鉱山に隠れている原石のようにひっそりと。
相手がたまたまリリアだっただけで、別の女がライザスの相手なら彼はその女を好いていたはずだ。
「いやだわ。もう考えるのをやめよう」
リリアは頭痛がしてきたので布団をかぶって眠ってしまった。
「はい、おやすみなさいませ」
ぱたんと扉が閉まり、ライザスが退室すると、しんと静寂が訪れた。
リリアはキスをされた額に手を当ててじっくり余韻を味わう。
以前より控えめだが、それでも夫に触れてもらえることが嬉しかった。
付与されたスキルは本人の素質と本能的なものによる。
つまり【慈愛】スキルを得たライザスは普段人々に冷たくしているが、本来は心優しい人物であるということ。
そして一度目の【溺愛】スキルを得たということは、女に興味がないと周囲に豪語しておきながら本当はそういった欲求を胸の内に秘めていたということだ。
ほとんどの男はスキルなどなくとも女に興味を持っている。
しかしライザスの場合は本人も気づかないほど心の奥深くに眠っていたと考えられる。
それこそ、鉱山に隠れている原石のようにひっそりと。
相手がたまたまリリアだっただけで、別の女がライザスの相手なら彼はその女を好いていたはずだ。
「いやだわ。もう考えるのをやめよう」
リリアは頭痛がしてきたので布団をかぶって眠ってしまった。