スキル【溺愛】を獲得した冷酷無慈悲な侯爵は契約結婚の贄嫁を愛でたい
ふたりきりになったリリアとライザスは庭園を歩いた。
まわりには鮮やかに輝く赤の薔薇が咲き誇っている。
リリアはあらためて、ライザスに謝罪を口にした。
「本当に申し訳ございません。予定外なことばかり起こってしまって旦那さまが混乱してしまうのもわかります」
「あなたが謝る必要はないんだ。あなたは何も悪くない」
「いいえ。私は贄として嫁いできたのです。それなのに旦那さまの当初の目的であるお役目を果たせないばかりか、あまりにも不相応な待遇を受けてきて私は勘違いしてしまいました」
「勘違いなどではない。リリアは俺の妻であり、大切な人だ。当たり前のことをしたまで……」
ライザスは途中で言葉に詰まった。
そして少しのあいだ険しい顔で黙り込んだあと、ため息まじりに言った。
「そうだ。最低なことをしたのは俺だな。あなたを妻に迎えるとき、打算的なことしか考えていなかった」
「そのことでしたら大丈夫です。私もそのつもりで嫁ぎましたので」
まわりには鮮やかに輝く赤の薔薇が咲き誇っている。
リリアはあらためて、ライザスに謝罪を口にした。
「本当に申し訳ございません。予定外なことばかり起こってしまって旦那さまが混乱してしまうのもわかります」
「あなたが謝る必要はないんだ。あなたは何も悪くない」
「いいえ。私は贄として嫁いできたのです。それなのに旦那さまの当初の目的であるお役目を果たせないばかりか、あまりにも不相応な待遇を受けてきて私は勘違いしてしまいました」
「勘違いなどではない。リリアは俺の妻であり、大切な人だ。当たり前のことをしたまで……」
ライザスは途中で言葉に詰まった。
そして少しのあいだ険しい顔で黙り込んだあと、ため息まじりに言った。
「そうだ。最低なことをしたのは俺だな。あなたを妻に迎えるとき、打算的なことしか考えていなかった」
「そのことでしたら大丈夫です。私もそのつもりで嫁ぎましたので」