スキル【溺愛】を獲得した冷酷無慈悲な侯爵は契約結婚の贄嫁を愛でたい
あのスキル付与の日から、リリアはなるべくライザスと顔を合わせないようにしていた。
あちらは大変激怒しているのだ。
リリアの顔など見たくもないだろう。
だから、ライザスが遠征に出発する日までなるべく部屋にひきこもった。
ところが、なぜかライザスから食事だけは必ず一緒にとるように言われたのである。
食事の時間はまるで拷問のようだった。
相変わらずライザスは会話をすることなく、料理長に味について厳しいことを言うだけ。
以前のリリアは食事を楽しんで気にしないようにしていたが、今はひたすらライザスの機嫌が気になって食事の味を感じるどころではなかった。
(ああ、早く遠征に行ってほしい)
そんなことを思うばかりだった。
デザートが出てくる頃、やはりライザスは食事を終えて席を立った。
いつものことだ。
しかしいつもと違うのは、わざわざリリアのそばを通って出ていくということだった。
ライザスはなぜか、リリアのそばで立ち止まった。
リリアはどきりとして、そろりと目線を上に向ける。
その視線の先には鋭い目でこちらを睨みつけるライザスの顔がある。
(ひええっ! めちゃくちゃお怒りだわ)
リリアはとりあえず愛想笑いをしておいた。
あちらは大変激怒しているのだ。
リリアの顔など見たくもないだろう。
だから、ライザスが遠征に出発する日までなるべく部屋にひきこもった。
ところが、なぜかライザスから食事だけは必ず一緒にとるように言われたのである。
食事の時間はまるで拷問のようだった。
相変わらずライザスは会話をすることなく、料理長に味について厳しいことを言うだけ。
以前のリリアは食事を楽しんで気にしないようにしていたが、今はひたすらライザスの機嫌が気になって食事の味を感じるどころではなかった。
(ああ、早く遠征に行ってほしい)
そんなことを思うばかりだった。
デザートが出てくる頃、やはりライザスは食事を終えて席を立った。
いつものことだ。
しかしいつもと違うのは、わざわざリリアのそばを通って出ていくということだった。
ライザスはなぜか、リリアのそばで立ち止まった。
リリアはどきりとして、そろりと目線を上に向ける。
その視線の先には鋭い目でこちらを睨みつけるライザスの顔がある。
(ひええっ! めちゃくちゃお怒りだわ)
リリアはとりあえず愛想笑いをしておいた。