スキル【溺愛】を獲得した冷酷無慈悲な侯爵は契約結婚の贄嫁を愛でたい
 ライザスはこの夜も酒を飲み、気を紛らわせようとしたがなかなか酔いがまわらず、深夜すぎにようやく寝ついた。
 だが、眠っても夢にリリアが出てくるので苦悩する。

 夢の中でライザスはリリアを抱きしめていた。
 リリアは恥じらいを隠すように目をそらす。
 その仕草がたまらなくいじらしい。

 ()でながらいじめたい。
 いじめながら愛したい。
 そして彼女のすべてを手に入れたい。

 ライザスは飛び起きると、それが夢であることを自覚し、額に手を当てて唸った。

「だめだ……このままでは……」

 ライザスはゆっくりとベッドから出ると上着を羽織り、静かに部屋を出ていった。
 向かった先は――。

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