スキル【溺愛】を獲得した冷酷無慈悲な侯爵は契約結婚の贄嫁を愛でたい
7、激甘からの塩対応
夫婦として初めて一夜をともにした翌日、リリアはとうに日がのぼってから目を覚ました。
ぼんやりしながらとなりへ目をやると、そこには誰もいない。
「夢……?」
夢にしてはやけにリアルだが記憶がおぼろげだ。
少しずつ昨夜のことを思い返していく。
額にキス以上のことはなかったはずだ。
安堵と落胆が入り交じった複雑な気持ちになる。
リリアがベッドから出るとちょうどマリーが水の入った桶を手にして入室した。
「おはようございます、リリアさま」
「おはよう。寝坊してしまったわ」
「いいえ。旦那さまから今日はゆっくり寝かせてあげるようにと申しつかっておりますから」
「え?」
呆気にとられるリリアをよそにマリーは笑顔で話す。
「大丈夫ですよ。ご夫婦ですから」
「いや、あのね。何もなかったのよ。ただ一緒に寝ただけなの」
「もう、わかっておりますから。そんなに照れなくても大丈夫ですよ。奥さまですからね」
「違うのよ」
しかし夫婦間の事情など他人にわかるものでもないので、リリアはこれ以上否定するのはやめた。
それに、まったく何もなかったとは言えない。
ぼんやりしながらとなりへ目をやると、そこには誰もいない。
「夢……?」
夢にしてはやけにリアルだが記憶がおぼろげだ。
少しずつ昨夜のことを思い返していく。
額にキス以上のことはなかったはずだ。
安堵と落胆が入り交じった複雑な気持ちになる。
リリアがベッドから出るとちょうどマリーが水の入った桶を手にして入室した。
「おはようございます、リリアさま」
「おはよう。寝坊してしまったわ」
「いいえ。旦那さまから今日はゆっくり寝かせてあげるようにと申しつかっておりますから」
「え?」
呆気にとられるリリアをよそにマリーは笑顔で話す。
「大丈夫ですよ。ご夫婦ですから」
「いや、あのね。何もなかったのよ。ただ一緒に寝ただけなの」
「もう、わかっておりますから。そんなに照れなくても大丈夫ですよ。奥さまですからね」
「違うのよ」
しかし夫婦間の事情など他人にわかるものでもないので、リリアはこれ以上否定するのはやめた。
それに、まったく何もなかったとは言えない。