スキル【溺愛】を獲得した冷酷無慈悲な侯爵は契約結婚の贄嫁を愛でたい
ベタベタ甘々の日々はあっという間に過ぎ去り、ライザスが遠征に出発する前日のことだ。
その日の夜もライザスとリリアは添い寝をする予定だった。
しかしライザスはベッドの上で正座の姿勢になり、真剣な表情でリリアと向かい合っている。
彼はめずらしく神妙な面持ちで今の気持ちを吐露した。
「実は俺は今、怖いと思っている」
「当然ですわ。戦場へ行くのですもの」
いくら戦闘力に長けた超人と言われる男でも命をかけているのだから怖いと思うのは自然なことだろうとリリアは思った。
だが、ライザスは少し違うことを口にした。
「死ぬことは怖くない。戦場で死ねるなら本望だと思っている。だが、気がかりなことがひとつある」
「はい、何でしょう?」
「あなたを残していくことだ」
「え?」
リリアは驚き、じっとライザスの顔を見つめた。
燭台のキャンドルの炎が彼の表情を赤く照らす。
それがとても切なく見えて、リリアは胸の奥が痛くなった。
その日の夜もライザスとリリアは添い寝をする予定だった。
しかしライザスはベッドの上で正座の姿勢になり、真剣な表情でリリアと向かい合っている。
彼はめずらしく神妙な面持ちで今の気持ちを吐露した。
「実は俺は今、怖いと思っている」
「当然ですわ。戦場へ行くのですもの」
いくら戦闘力に長けた超人と言われる男でも命をかけているのだから怖いと思うのは自然なことだろうとリリアは思った。
だが、ライザスは少し違うことを口にした。
「死ぬことは怖くない。戦場で死ねるなら本望だと思っている。だが、気がかりなことがひとつある」
「はい、何でしょう?」
「あなたを残していくことだ」
「え?」
リリアは驚き、じっとライザスの顔を見つめた。
燭台のキャンドルの炎が彼の表情を赤く照らす。
それがとても切なく見えて、リリアは胸の奥が痛くなった。