ド天然でも鈍感でもありません。





「聞いたよレオン君」


眼鏡を取りながら、ケイが口を開いた。



下校の車中でだった。
お迎えの車には、私とメイ、レオにケイ。


ケイは珍しく、黒コンタクトを外してその青い瞳を覗かせていた。



メイとケイも、幼少期から大人に連れられてパーティーに来る常連さんだった。

だから私含めてこの4人は、学園でも特別な仲間。



「あのB組の子をこっぴどく振ったそうじゃないか」


「あー」


レオは上の空になった。


ケイも同じクラスなのに、生徒会の集りがあり、教室にいなかったため後から噂で聞いたらしい。


「あんなに可愛い子を」


もうっ!とケイが喝を入れた。


続けて「僕だったらな〜、どうするかな〜」と腕を組んでモゴモゴと言い始めた。


「ケイ」


「うん?」


レオが首を空でも持ち上げるかのように、ケイ見やった。



「婚約者、いるでしょ」



ニコッと笑みを浮かべたレオからは冷風でも吹いているかのようだった。




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