レンズ越しの君へ

これって私から勉強始めようって言うべき？

でも涼太君が勉強するって言ったから、始めてくれるのかな？

「地味だね、あんた。」

はい！？

今どこらからかものすごい罵声が…

「菜穂さ、男と付き合ったことないでしょ？」

な、菜穂！？

あれ？

さっきまでの素直で可愛い涼太君の雰囲気がなんか違う…！！

「あ、ビックリさせちゃった？こっちがホントの俺だから。」

ホントの俺だからって…

「菜穂って高三だよね、見えない。俺の同級生のほうが老けてるわ。」

このこ…

どうしちゃったの！？

「な、菜穂って呼ばないでください！」

男の人から呼び捨てにされるのなんてお兄ちゃんにしかないんだから！

「えー、じゃあ何て呼べばいいの？菜穂ちゃん？」

「いいから！勉強始めますよ！」

最近の中学生ってみんなこんなものなの！？

「耳真っ赤。かーわい。」

「ひゃっ…」

涼太君が耳元に口を近づけるから、変な声が出てしまった。