レンズ越しの君へ
そのあと下に降りて恵海ちゃんと志歩さんとみんなでおやつ。

その時の涼太君は至って普通。

むしろいい子。

さっきのは何だったの!?

夢かな?

「ただいま。」

リビングの扉が開いて、誰か入ってきた。

「あっ、聡ちゃん!おかえりなさい!」

恵海ちゃんが駆け寄っていく。

「おかえり、聡太。」

あれ?

同じ制服?

「こちら今日から涼太の家庭教師をしてくれることになった風見菜穂ちゃん。で、こっちは長男の聡太よ。菜穂ちゃんの一つ下で、同じ高校。」

ぺこりと礼をするその男の子は涼太君にそっくり。

というより、涼太君の何年か後の姿?

「生徒会の先輩ですよね?浅丘聡太です。」

私のこと、知ってるの?

「菜穂ちゃん、生徒会に入ってるの?すごいわね!」

「いえ、そんな!」

なぜか推薦されちゃった私。

きっと学級委員をずっとしてたからその延長線上でなんだけど。
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