レンズ越しの君へ
「お邪魔しました。」

「気をつけてね!ほら、聡太、送ってあげて!」

え!?

そんな、悪いよ…

それに、聡太君は何も関係ないし…

「俺が送るよ、俺の先生だし!」

涼太君が言うと立ち上がって。

なんだか嫌な予感…

「ね、行きましょ?せ、ん、せ?」

この可愛い微笑みが悪魔の笑みに見える!


「兄ちゃん、彼女いるから。好きなっても無駄だからね。」

自転車を押しながら一番に言ったのはその言葉。

「す、好きになりません!」

もう!

なんなの、勝手なことばっかり!

「ならいいけどさ、ねえ、先生、彼氏いたことないでしょ?」

そうですけど、何か!

何も言えずに黙ってると涼太君がニヤリと笑った。

「ね、センセ?覚悟しといてね?」

嫌な予感しかしないんですけど!

三つも年下の男の子にこんなふうに言われて、戸惑ってるなんて。

私、どうなっちゃうんでしょう…
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