レンズ越しの君へ

土曜日、午後一時。

今日は二回目の授業の日。

はあ…

ここ最近私、溜息ばっかりついてる。

この前も生徒会室で知らず知らずのうちに盛大にため息をついてちゃったみたいで、

「なんだかお疲れ気味だね、風見さん。どうかしたの？」

なんて生徒会長の一ノ瀬君に言われちゃったし。

今日はちゃんと勉強できるといいけど…

チャイムを押すと、出迎ええくれたのは男の人だった。

「こんにちは、父です。いつも息子がお世話になってます！」

うわあ、お父さん！？

見えない！若い！

爽やかなオーラは聡太君そっくりだけど。

「陽太！恵海を車に乗せて…ってあら、菜穂ちゃん！ごめんね、バタバタしちゃってて…」

どうやらお出かけみたい。

「恵海の新しい靴、買いに行くの！」

ニコニコ笑顔でお出かけ用のワンピースがとってもかわいい恵海ちゃん。

「涼太は部屋にいるから！おやつは冷蔵庫にプリンがあるから、終わったら食べてね！」

志歩さんはそう言うと慌ただしく出て行ってしまった。