レンズ越しの君へ
勉強を始めても、涼太君が真剣に見てるのは教科書じゃなく私の顔をジーッと見てくる。

そんなに見つめられると、集中できない!

って、なんで私が集中できないとか思わなくちゃいけないの!

「涼太君、教科書見よう?」

「えー、だってこんなのつまんないもん。それよりもさ…」

すっと伸びてくる、涼太君の手。

「肌キレイだね、白いし、つるつる出し、赤ちゃんみたい。」

涼太君が私のほっぺに手をあてた。

な、なに!

これ…

恥ずかしい!

「りょ、涼太君…!」

「髪もサラサラだ…なんかいい匂いもする。香水つけてる?」

香水なんておしゃれなもの、生まれてこのかたつけたことありません!

「シャンプーかな。すっげえいい匂い。ね、せんせ?」

おかしいよ、私。

心臓が口から飛び出そうなくらいドキドキと鼓動がうるさい。

「ね、眼鏡外した姿、もう一回見てみたいなー。とっていい?」

またメガネ!?
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