レンズ越しの君へ
「へえ…高三で家庭教師かあ、なんかスゴいですね。あ、あたしは隣の家の上原愛奈です。」

隣の家…

まなちゃんっていうのか…

すごく可愛い子だなあ。

「聡太帰ってくるまで下にいるよー。」

愛奈ちゃんはそう言うと下に降りていった。

はあ、幼なじみの距離感ってすごい。

「ねえ、先生。メガネ…」

まだ言ってる。

でもこのままじゃだめだ。

なんのために私はここに来てるのか!

ちょっとこころは痛むけど…

「涼太君、私、涼太君がちゃんと勉強してくれないとクビになっちゃうんだ。」

「っ…それはやだ。」

あれ?

意外に素直に勉強し始めた。

「ね、先生、今度の中間テストで俺が良い点とれたらさ、ご褒美にデートしてよ。」

で、デート!?

「んー、三科目90点以上ね。きーまり。」

ちょっと!

何勝手に決めてるんですか!

でもモチベーション保って勉強するのは大切なことだよね。
< 21 / 83 >

この作品をシェア

pagetop