レンズ越しの君へ
私が生徒会に入ってること、知ってたの?

「ほら、二人でやれば早いって。」


そんな単純な出来事。

でも私にとって大きな出来事。

たったそれだけの会話だったけど、次の日から私は自然と速水君のことを目で追うようになってて。

それに加えて、その日以来たまに話すようになって。

それがすごく楽しくて。

いつのまにか、好きになっていたんだ。

もちろんただ見てるだけだったけど。

でも人って欲深い。

だから、私は無謀にも修学旅行で告白してしまった。

振られるの覚悟で、でも今までで一番の勇気を振り絞った。

結果は案の定振られたけど、後悔はない。

今は普通に友達として話しできるし、自分の思いをちゃんと伝えられてよかったって思う。

だって引っ込み思案の私がこんなにも思い切ったことをしたの、初めてだった。

「次の恋、探そう!」

冴香はそう言っていたけど。

私は大学受験が終わるまでは恋はいいかなって思ってる。
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