レンズ越しの君へ
「へー、冴香様、ミスコン出るの?」

「ま、私が出て、このカモシカのような美脚をみせてもいいんだけど。」

冴香が足をぐいっと突き出した。

バレー部で鍛えられたスラリとした長い足は本当に綺麗。

「って、そんなことよりもこのコンテストは園田、あんたじゃなきゃダメなの。園田なら絶対に優勝できるから!」

「だってミスコンだろ?大和レベルのやつがゴロゴロ出場すんのに、俺みたいなチビ、勝ち目ないって。」

「何言ってんの、これからはあんたの時代よ、園田!最近流行ってんのは可愛い系男子、ウサギ系男子、ヌクメン、ほら、あんたに当てはまるものばっかりじゃないのよ!」

冴香が言うと妙な説得力があるけども…

「うーん、まあ、そこまで言うなら、出てやらなくもない…けど?」

園田君がなんだか嬉しそうにいう。

すると冴香はニヤリとした。

「みんなー!園田がミスコン出るって!応援よろしくね!」
< 45 / 83 >

この作品をシェア

pagetop