レンズ越しの君へ
「今日で最後にしよう。家庭教師。」
え?
「どうして…」
「だって先生だって受験あるじゃん。俺、先生のおかげでだいぶ成績上がってきたし、もう大丈夫だから。」
そっか…
もう、大丈夫か。
「母さんには俺から言うから。だから、今日が最後の日。」
最後の、日。
たった数ヶ月、なのにとても長い時間涼太君の家庭教師をしていたような気がした。
いろんなことがあったから。
たくさんの初めてがあったから。
はじめてコンタクトをした。
はじめて男の子と手をつないだ。
はじめて名前を呼び捨てにされた。
はじめて、告白された。
「先生、今までありがとうございました。」
その他人行儀な挨拶がやけに胸を締め付ける。
私はワガママなんだ。
寂しい。
嫌だ。
そんな気持ちが私の中を支配していく。
涼太君の志望校は春日台だけど、私の卒業した後だから、もう会うこともない。
本当に、これが最後。
え?
「どうして…」
「だって先生だって受験あるじゃん。俺、先生のおかげでだいぶ成績上がってきたし、もう大丈夫だから。」
そっか…
もう、大丈夫か。
「母さんには俺から言うから。だから、今日が最後の日。」
最後の、日。
たった数ヶ月、なのにとても長い時間涼太君の家庭教師をしていたような気がした。
いろんなことがあったから。
たくさんの初めてがあったから。
はじめてコンタクトをした。
はじめて男の子と手をつないだ。
はじめて名前を呼び捨てにされた。
はじめて、告白された。
「先生、今までありがとうございました。」
その他人行儀な挨拶がやけに胸を締め付ける。
私はワガママなんだ。
寂しい。
嫌だ。
そんな気持ちが私の中を支配していく。
涼太君の志望校は春日台だけど、私の卒業した後だから、もう会うこともない。
本当に、これが最後。