レンズ越しの君へ
毎日勉強はしている。

志望校の判定もA判定だから、このまま勉強していけば大丈夫。

それなのに、なんなのだろう。

この不安、心配、モヤモヤ。

「早くおわんないかな…園田はどこ志望?」

「俺?俺はー…すみれが丘?」

す、すみれが丘?

「ちょっとあんた、頭大丈夫!?裏ミスコンの影響そこまで出てたの?」

冴香も同じみたい。

すみれが丘女学院は中高からのエスカレーター式の女子大。

もちろん、園田君は男子だから入学できない。

「確かにあんたくらい可愛ければ女装すればいけるかも…って無理!戸籍でバレるわ!」

「しねえよ!」

そんなやりとりを見てクスッと笑っちゃう。

「やっと笑った。最近菜穂、なんか元気ないんだもん。」

冴香が言う。

「なんかあった?」

相談、してみようかな。

このままモヤモヤしてても仕方ないし…

私は今までのこと全部、冴香に話した。

そしてなぜかその場にいた園田君にも。
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