レンズ越しの君へ
いよいよ高校最後の文化祭が始まった。
生徒会室を行ったり来たり忙しいのも今年が最後だと思うと少し寂しい。
これが終われば本格的に三年生は受験体制に入る。
去年も一昨年もこうして目が回るような忙しさの中にいたからな。
「菜穂、生徒会の仕事終わったら一緒にまわろ!」
「うん、後でね!」
冴香と別れて私はダンボールを抱えて階段を登る。
前が見えにくい。
うわっ
転びそうになって、誰かが前でダンボールを抑えてくれていた。
間一髪、危なかった。
「ありがとうございます…」
顔を上げて、びっくりしてしまった。
そこにいたのは、数ヶ月ぶりに見る顔だったから。
「先生、久しぶりだね。」
「涼太君…」
「なんかね、辰樹が葉ちゃんと梓君が面白いことするっていうから、見に来たんだ。」
おもしろいこと?
ああ、裏ミスコンのことか。
園田君、なんでも弟さんも同じようにエントリーされてたみたいだって教室で嘆いていたっけ。
「持つよ、貸して。」
返事をする前に手からダンボールを奪われてしまう。
どうしよう、何話せば良いの?
生徒会室を行ったり来たり忙しいのも今年が最後だと思うと少し寂しい。
これが終われば本格的に三年生は受験体制に入る。
去年も一昨年もこうして目が回るような忙しさの中にいたからな。
「菜穂、生徒会の仕事終わったら一緒にまわろ!」
「うん、後でね!」
冴香と別れて私はダンボールを抱えて階段を登る。
前が見えにくい。
うわっ
転びそうになって、誰かが前でダンボールを抑えてくれていた。
間一髪、危なかった。
「ありがとうございます…」
顔を上げて、びっくりしてしまった。
そこにいたのは、数ヶ月ぶりに見る顔だったから。
「先生、久しぶりだね。」
「涼太君…」
「なんかね、辰樹が葉ちゃんと梓君が面白いことするっていうから、見に来たんだ。」
おもしろいこと?
ああ、裏ミスコンのことか。
園田君、なんでも弟さんも同じようにエントリーされてたみたいだって教室で嘆いていたっけ。
「持つよ、貸して。」
返事をする前に手からダンボールを奪われてしまう。
どうしよう、何話せば良いの?