レンズ越しの君へ
思い立ったら即行動!派な冴香の後押しを受け、私は数日後の午後4時、涼太君の通っている私たちの高校からほど近い中学校の校門に立っていた。

うう、中学生からの若い視線が痛い…

こんなところで待ってて、涼太君がいつ出てくるかもわかりもしないのに。

いやいや、今日はもうそんなこと考えないって決めたでしょ。

「あれ、涼太のせんせー?」

声がした方を向くとそこには涼太君と一緒にオープンスクールに来ていた男の子。

隣にはセーラー服姿の女の子もいる。

彼女、かな?

「もしかして涼太に用事?だったら遅くなるかもしれないですよ。あいつ、成績が落ちて説教くらってるから。」

成績が落ちてる?

なんで?

あんなにテストの点数、良かったのに!

私なんかいらないって思うくらい成績が安定してきてたのに。

「たっちゃん、涼ちゃん来たよ!」

その女の子が指差す方には学生服を着た涼太君。
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