レンズ越しの君へ
「…っ…すき、なの。」

目をつむって、言った。

聞こえた、かな?

聞こえなかったかもしれない。

すごく小さな声だったから。

「え…今、なんて…」

ほら、やっぱり聞こえてない。

もっと大きな声で。

「涼太君が、好き…」

今度はちゃんと目を開けて。

言った。

私の人生初めての告白。

涼太君は…

「なに、それ…」

そして私の視界は暗くなった。

それは彼の腕によって胸の中に引き込まれたからで。

「俺、先生に告白されてんだよね?それで、あってる?」

少し震える彼の声。

私は深く頷いた。

あってる。

私は、あなたが好き。

どうしよう。

なんだか涙が出そうで。

メガネをかけてるから、涙が邪魔だ。

「すげえ、嬉しい。人生で一番嬉しいよ、俺。」

涼太君の私を抱きしめる手が強くなる。

「俺も先生が好き。俺の彼女になってくれるんでしょ?」

好き、という言葉が。
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