レンズ越しの君へ
「菜穂、教育学部志望だって言ってたから、やってみないか?」

私が、家庭教師!?

「中学の範囲だから、菜穂なら余裕だろうし。」

確かに勉強は嫌いじゃないけど…

むしろ、新しいことを知るのは好き。

特に理系選択の私は昔から数学が好き

そういうとよく信じられないと言われるけど、数学には答えがある。

自分の考えを表す国語も好きだけど、やっぱり私は数学が好き。

「でも、私にできるのかな?」

つい不安が口に出てしまった。

「大丈夫だよ、いい子らしいし、菜穂は先のことを心配しすぎる癖があるからな!」

お兄ちゃんが私の頭をポンポンと撫でる。

「大学受験の前に一つ社会勉強として、やってみないか?」

…お兄ちゃんの頼み。

いつも私に優しくしてくれるお兄ちゃんの頼みだもん。

「わかった、やってみるよ…」

私は頷いた。

するとお兄ちゃんはニッコリと笑って、私の頭をまた撫でた。
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