レンズ越しの君へ
合格発表は10時から。
高校に張り出される掲示板を見に涼太君はギリギリに出て行った。
そういう余裕そうなところが勝負強さにも繋がってるのかもしれない。
そして時計の針は10時。
志歩さんは目の前のスマホをじっと見つめる。
五分たっても鳴らないそのスマホ。
「あの子ったら…何のために聡太のスマホを貸したと思ってるのよ…!」
まだスマホを持っていない涼太君。
兄である聡太君のスマホを連絡用として志歩さんが渡したのだ。
のんびりしてた志歩さんも少しだけ焦ってきた様子。
まさか、まさかと思うけど…
いやいや!
そんなわけないじゃない!
だって直前の模試ではA判定だったし、なんなら第二志望の春日台より偏差値が高い県内トップの進学校南山男子高も余裕で入れるレベルだった。
「ママ〜クッキー食べないの??」
「辰樹君に電話してみようかしら…いや、でも…」
いっこうに鳴る気配のない志歩さんのスマホ。
「ちょっと私、見てきます!」
私はいてもたってもいられなくなって立ち上がるとリビングを出た。
高校に張り出される掲示板を見に涼太君はギリギリに出て行った。
そういう余裕そうなところが勝負強さにも繋がってるのかもしれない。
そして時計の針は10時。
志歩さんは目の前のスマホをじっと見つめる。
五分たっても鳴らないそのスマホ。
「あの子ったら…何のために聡太のスマホを貸したと思ってるのよ…!」
まだスマホを持っていない涼太君。
兄である聡太君のスマホを連絡用として志歩さんが渡したのだ。
のんびりしてた志歩さんも少しだけ焦ってきた様子。
まさか、まさかと思うけど…
いやいや!
そんなわけないじゃない!
だって直前の模試ではA判定だったし、なんなら第二志望の春日台より偏差値が高い県内トップの進学校南山男子高も余裕で入れるレベルだった。
「ママ〜クッキー食べないの??」
「辰樹君に電話してみようかしら…いや、でも…」
いっこうに鳴る気配のない志歩さんのスマホ。
「ちょっと私、見てきます!」
私はいてもたってもいられなくなって立ち上がるとリビングを出た。