レンズ越しの君へ
「菜穂がうんって言ってくんなきゃ俺落ちるかもしれない。」

なんでそんな…

ずるいよ。

「なーほセンセ?」

「…わ、わかった!」


そんな約束をしてしまった私。

ああ〜!

なんてバカなの!

他に誤魔化しようがあったでしょ!

いつもこうなの。

三つも年下なのに私の方が余裕なんて全然なくて、言いくるめられちゃう。

「思い出した?ね、だから。」

ちょっと、ちょっと待った!!!

「まずは!志歩さんに報告してから!!ね!!ほら、はやく!じゃなきゃしないから!」

「えー…仕方ないな。わかった。そのかわり絶対忘れないでよね。」

口を尖らせながらもなんとか家に入ってくれた涼太君。

志歩さんはちょっと怒りながらも目をウルウルさせて喜んでた。

「もう、連絡してって言ったじゃないの!」

「ごめんごめん、兄貴の携帯カバンに入れっぱなしにしてた。」

「何はともあれよかったな、涼太。」

「涼ちゃん、おめでとう!!恵海お手紙書いた!」

聡太君や恵海ちゃんにお祝いを言われて涼太君、嬉しそう。
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