レンズ越しの君へ
挨拶!

「こ、こんにちは!あの、私、風見菜穂といいます、それで…」

「あら!待ってたの!どうぞ上がって!」

促されて家の中へ。

「私は母親です、よろしくね、菜穂ちゃん。こっちは末っ子の恵海です。」

「こんにちは!えみ、一年生だよ!」

恵海ちゃん、かわいいなあ。

理彩もあと数年したらこんなふうになるのかな。

「お茶でも飲んでいって!まだ帰ってきてないのよ、あの子。」

どうやら部活らしい。

「数学がすごく苦手みたいで…菜穂ちゃんは数学がすごく得意なんですってね。よろしくね。」

優しい家の人で良かった。

ひと安心してお茶を飲んで楽しくおしゃべりしていると


「ただいまー。」

帰ってきた!

この人が、今日から私の生徒になる…

「あれ、誰?」

顔をのぞかせたのは学ランを着た男の子。

やっぱり中学生なだけあって私の同級生よりもだいぶ幼く見える。

だけどすごくモテそう。

直感だけど。
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