幼なじみは狐の子。2
2体育祭



「今年の1年の競技は、ダンスと大縄跳びとリレーの徒競走障害物走、ならびに代表によるリレーと二人三脚です。」


 黒板の前。

 担任の錦戸先生が、体育祭用に配られたファイルを見ながら読み上げていく。

 恋は、窓際の席に座って窓の外を眺めていた。

 2階の1年の教室の下にあるグラウンドには、体育の授業を行う生徒達のジャージ姿が見えている。

 緑色のジャージを着た生徒達が一箇所に集まって柔軟をする。

 錦戸先生が続けた。


「中等部の体育祭の小等部の運動会との違いは、生徒数のおかげて赤白以外に青黄緑紫と6ブロックあること。えーうちのクラスは今年は白になりました。覚えやすいでしょう。」


 恋は、窓際に小鳥が止まったのに気付いた。


「はちまきは自主保管。自分で洗濯して、なくさないように。これから配ります。ジャージもこまめに持って帰って洗濯すること。衛生面を考えましょう。」


 先生は最後に言った。


「では、勝てとまでは言いませんが、志を高く持つように。全部楽しんでやるように。初めての体育祭、皆さん頑張っていきましょう。」











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