幼なじみは狐の女の子で可愛がってます。2
朝のホームルーム前、恋と宗介は職員室の前に居た。
たまたま居合わせた先生に仮入部の申し込み用紙を貰って、階段を登る。
教室に戻ると、䄭風と理央が恋に気付いて声をかけた。
「恋!」
「新田さん、どこ行ってたの?」
「職員室。ちょっと用事があって。」
恋は応えると、机に仮入部の申し込み用紙を出した。
部活動を書く欄と、氏名を書く欄があって、部活動を書く欄は四角で囲んであった。
「新田さん、部活入るんだ。どこの部活?」
申し込み用紙を覗き込んだ䄭風が聞いた。
「茶道部だよ。和菓子食べ放題なんだって。樋山くんは写真部でしょう?」
䄭風はちょっと微妙な顔をした。
「いや、写真は1人でやった方が気楽だから、部活には入らない事にしたんだ。」
䄭風が言った。
「もちろん時々顔出すけど。家でもできるし。校内新聞見て嫌になった。新聞部と合同だし学校の雑用だよ。」
「そうなの?」
「うん。新田さんが茶道部なら、決めた。僕も茶道部に入ろ。」
「うざ。」
後ろの方の席から、宗介が不満げな声を出した。
「樋山は来んなよ。邪魔。僕と恋のデートの部活なんだぞ。」
「嫌だ。どこの部活に入ろうが僕の勝手だ。僕は部活を自由に決めていい権利がある。僕は新田さんの居る部活に入る。」
「面倒くさ……恋、やっぱり部活入るのやめようぜ。樋山が邪魔でお茶なんか飲めねーよ。」
「え、困るよ、もう書いたのに。」
「ちょっと待ってて。申し込み用紙、僕も貰ってくる。」
䄭風が急いで席を立つと、宗介が恋の席に来た。
「あーあ、うざった。樋山、あいつ絶対邪魔しに来るぞ。面倒くさ」
苦い顔で宗介が言った。
理央が聞いた。
「恋、恋のママ恋に甘いでしょう、部活なんて言ってた?」
「うちのママはお菓子食べれていいわねえ、うちからもお持たせ持っていきなさいだって。喜んでたよ。」
「お前んとこのおばさんはお前がやるものなら何でも歓迎なんだから、簡単で良いね。僕は着物を買った方が良いのか家にあるので良いのか聞いて来いって言われた。部活まで恋人に合わせるのかって、笑ってたよ。」
「ふーん、家によってやっぱ言う事違うね。」
理央が言った。
「私んとこも、頑張んなさいって言われた。ビーズ作り、前から好きだったから。ねえ恋、考え直さない?。やっぱり一緒に手芸部に入ろうよ。」
䄭風が申し込み用紙を持って教室に入って来た所で、チャイムが鳴った。