幼なじみは狐の子。2




 放課後。

 男子更衣室から袴を着て出て来た宗介と䄭風は、小声で罵り合いながら部室へ向かった。

 和室の戸が大きく開いて、着物姿の生徒達がバタバタしていたので、2人は部室の様子が普通とは違っている事に気付いた。


「どうかしたんですか?」


 宗介がやってきた先生に聞くと、先生は困り顔で言った。


「部室でちょっとね。狐が出たんですよ。」


 宗介と䄭風の表情が変わった。

 宗介が平静を装って聞いた。



「その狐、どっちの方に行ったか分かりますか?」

「職員室の方に走って行ったけど……今先生方が捕まえようとしてますよ」



 宗介と䄭風は袴のまま職員室へ急いだ。






< 24 / 76 >

この作品をシェア

pagetop