幼なじみは狐の子。2






 職員室では、箒を持った先生が、小狐を捕まえようとしていた。

 慌ただしく職員室に入って来た袴姿の2人を見て、先生は目をぱちくり。

 そしてその生徒が迷い込んだ小狐を睨みつけて、小声で何か囁いたので、先生はもっとびっくりした。


「待て待て今なんて言った?」


 居合わせた教頭先生が、宗介に向かって聞いた。


「ああ、裏山に帰りな、って言ったんですよ。逃がしてきます。」

 
 宗介は小狐を抱き上げながら笑顔で言った。










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