幼なじみは子狐の恋。2
4ショッピングモールデート
ある日のこと。
教室で、恋と理央と明日香は、たまたま好きなお菓子の話をしていた。
一番好きなお菓子の話になって、恋がキャラメルを好きだというと、明日香がええっと驚いた声を出した。
「そんなに意外?」
恋は、きょとんとして聞いた。
「意外っていうか、キャラメルかあ。」
チョコレートを一番好きだという明日香は、ポテチを好きだという理央に、どう思う?と聞いた。
「キャラメルも良いよね。甘さたっぷりで、幸せな気分になる。」
「普通チョコレートだよ。キャラメルってなんかベタベタしたイメージない?」
明日香が続けた。
「っていうか少数派だよ。チョコ好きな人多いもん。」
恋は、キャラメルの何が悪いんだ、と抗弁した。
恋は実はキャラメルが大大大好きだった。
あの色も、匂いも、食べた感じも、全部が好きだった。
ムキになって言い返す恋に、明日香は微妙顔で続けた。
「だって、恋。キャラメルなんかネバネバするよ。」
「ネバネバしないよ。」
恋は怒った顔で言い返した。
「いいやネバネバする。テレビのアンケートでも見たこと事ある。普通はみんなチョコだよ。」
そんなことない、と繰り返した恋に、明日香は呆れ顔をした。
「分かるけどさ。まあまあおいしいけどしつこい、甘さが。甘過ぎて。恋、さっきから、何怒ってんの?。」
恋が、明日香なんかともう口聞かない、と捨て台詞を吐くと、明日香はとても驚いた顔をした。
「えええ、ねえ、恋、何をそんな怒ってんの?」
恋は、明日香を無視して、1人教室を出た。